長瀞畳岩は、まさに畳をしきつめたかのように岩が並んでおり、幅80メートル長さ500メートルに渡って広がります。これは長瀞を流れる荒川が、その地の岩を侵食したことによって作られました。またこの岩畳には甌穴(ポットホール)と呼ばれる穴がみられます。これは川底の小石が隙間に挟まり、川のながれによって渦巻くように回転したために岩が削られてできた穴です。この甌穴のほかにも断層や断層が曲がりくねるように重なった褶曲などをみることができます。大自然が作り出したスケールの大きなアートのようにすら思えてくるでしょう。
ちなみに長瀞町にある長瀞岩畳周辺は、日本の地質学研究において重要な拠点となったことから「日本地質学発祥の地」という石碑がたてられています。それほどまでに地質学的に価値のある地形を織りなしているのです。
自然が作り出した美しい景観を楽しむのはもちろんですが、この辺りはライン下りやラフティング、またサクラの見どころもあり観光客の多い地域でもあります。さらにこの岩畳周辺には約3000本の藤が群生しており、岩の隙間から咲かせる藤の花はゴールデンウィーク頃に見ごろをむかえます。長瀞町で一番の観光スポットであるといえるでしょう。